安い土地には要注意
安い土地にはワケがある
広告やネット検索で土地情報を探していると、相場よりも安い土地を見つけることがあります。
「これはラッキー!!」
土地が安く買えればそのぶん建物にお金をかけられるので非常に魅力的なお話なのですが…。
ただ、やはり安い土地には安いなりのワケが存在します。
使い勝手が悪かったり、土地を整備するために多額のお金がかかったり。
今回はそんなワケありの土地についてのお話です。
①土地の形が不整形
建物は一般的に直線でつくられています。
正方形・長方形などの整形地を選ぶと土地を有効利用しやすく、無駄のないプランをつくりやすいです。
駐車場やお庭の計画もイメージしやすいですね。
反対に三角形や凸凹のある不整形地を選ぶと建物を建てたあとに変な残地ができしまったりしてデッドスペースが生まれてしまいがちです。
「立地は気に入っているので土地の形を活かして狭小住宅を建てたい!」なんてケースであれば、うまくプランしてあげれば一転して魅力的な土地に生まれ変わることもあるのですが基本的には不整形地の建築は難易度が高いですね。
②高低差がある
計画敷地と道路もしくは計画敷地と隣地に高低差があると、土が隣地に崩れ落ちないように土留めが必要になります。
土留めを作る距離・高さに応じて費用がかかってしまうので思わぬ出費につながります。
また高低差が2m以上ある場合は「がけ条例」という規制に該当する場合があり要注意です。
がけの高さの2倍の距離は建築ができない(通称2H規制)という指導がありますので、状況によっては敷地の大半を建築に利用できないなんて事態になりかねません。
自治体ごとに独自の条例を定めている場合もありますので、がけ条例に該当する敷地は注意が必要です。
③前面道路にインフラがない
インフラとは簡単に言うと「社会や経済、国民の生活を支える基盤」のことです。
住宅で言えば水道管や排水場所がそれにあたります。
現代人の生活において水は必要不可欠なもの。
当然、水回りナシの住宅なんてありえません。
前面道路に水道本管が埋設されていない場合、一番近い水道本管から個人管で水道を引き込むことになります。
調査→許可申請→→掘削→埋設工事→復旧→工事完了報告
ざっと思い浮かべてもこれだけの工程がある作業となりますので、多大な時間とお金がかかります。
水道管の埋設状況は水道局にある図面で確認することができますので、気になる土地の状況は一度調べてみたほうがよいでしょう。
④都市計画法の許可が必要
検討している土地が市街化調整区域に該当する場合も注意が必要です。
市街化調整区域とは簡単に言うと「人が住むための住宅や商業施設などを建築することが原則認められていない市街化を抑制する地域」のことです。
あくまで抑制なので都市計画法の許可を取得すれば建築可能なのですが、一般的な感覚として許可を取るための期間は約2カ月、費用は50万程度かかってしまいます。
もちろん敷地の立地基準によってクリアする難易度は異なりますので正確なところは調査を行い見積もりをとってみるまでわかりません。
また市街化を抑制する地域なので上水下水などのインフラ関係が未整備であることがほとんどです。
市街化区域と比べて大幅に価格が安い市街化調整区域ですが、建物を建築するための余分なお金がかかることが多い印象です。
安いワケを見つけよう
相場より安い土地というのはなにかしらの理由があって安くなっています。
土地は調査がしっかりと行われ価格が決定されているので、安くてお得な掘り出し物なんていったものはほぼありません。
ただ、「安い土地だからトラブルがあるので買ってはいけない土地」と言うことではありません。
安いワケが自分にとって不利な条件に該当しないのであれば、それはチャンスに変わるかもしれません。
安いワケと自分の希望を天秤にかけてこのポイントなら譲歩できると判断できるのであれば購入してもよいと考えます。
相場よりも安いなと思ったらまずは疑い、なぜ安いのかを必ず確認してから土地の検討するようにしましょう。