コンテナハウスについて
コンテナハウスを建築基準法に合わせる難しさ
最近、コンテナハウスを建築したいという方からの相談が増えてきました。
コンテナの武骨でシンプルなデザイン、私も大好きです。
ただ、コンテナハウスを建築基準法で読み解くと実はかなり厄介な代物でして。
実際、憧れのコンテナハウスを建てるハードルの高さに諦らめてしまう人もいます。
今日はそんなコンテナハウスのお話しです。

利用可能なコンテナはひとつだけ
コンテナ、コンテナ。
多くの人がコンテナとイメージして一番はじめに思い浮かぶのが海上輸送用コンテナだと思いますが、日本であのコンテナを使用してコンテナハウスをつくることはほぼ不可能です。
実は港に積まれているような海上輸送用コンテナは、日本の建築基準法の仕様に合わず建築申請を通すことができません。
じゃあ、みなさんがどうやってコンテナハウスを作っているのかというと。
※ここではあくまで適法な話をさせていただきます。
建築基準法が求めるJIS鋼材で造られている建築用コンテナというものをつかっているのです。
海上輸送用のコンテナは、窓などの開口部をあけると極端に強度が落ちるので大変危険です。
しかしコンテナハウスには、素敵な扉と窓が必要不可欠。
外観デザイン的に開口部を設けないという選択肢はありません。
そこでJIS鋼材で造られた建築基準法に則った強度が出る建築用コンテナが必要になるというわけです。
建築コンテナは海上輸送用コンテナを流用したものではなく、コンテナハウスのために造られたコンテナなのです。
コンテナハウスの魅力
この話をすると敷地に転がっていたコンテナを有効利用できると思っていた人や、安く海上輸送用コンテナで建てられると思っていた人はがっくりと肩を落としてコンテナハウスを諦めてしまいます。
もちろん違法に無許可で海上輸送用コンテナハウスを建築する人もいますが、建築士である私にそれが良いとは言えません。
しかし、過去にはそれでもあきらめずにコンテナハウスにチャレンジしたいというお客様もいました。
コンテナという材料には木造にもコンクリート造にも負けない大きな魅力があります。
私もコンテナハウス大好きなので、そのときは建築用コンテナの手配と確認申請でサポートさせていただきました。
日本のコンテナハウスの歴史ははまだまだ新しく、可能性が無限に広がっている分野です。
だからこそ建築基準法をまもりながら良いイメージでコンテナ文化を広げていく必要があると思っています。