軒を出すか?出さないか?
建物を長持ちさせたいなら軒を出すべき
家の外観の好みは人それぞれです。
軒が深いドッシリとした家が好みの人もいれば、軒がないスッキリとしたフォルムを好む人もいます。
それこそ千差万別、十人十色だとは思うのですが家の外壁を保護するという観点から考えると軒は絶対に出したほうが良いのです。
90㎝のような深い長い軒でなくてもいい。たとえばそう、15㎝程度の短い軒でもいい。
それでも、たかが15㎝されど15㎝。
その15㎝の軒のおかげで10年後の外壁の状態は、まるで別物となるのです。
軒は傘のようなもの
雨が降ってきました。
服が濡れるのが嫌な我々は、すぐに傘を差します。
建物はどうでしょう?
当然、自分で傘をさすことはできません。
であれば、最初から傘をさしてあげておくのはいかがでしょうか?
そう、建物にとって軒は外壁を濡らさないための傘のようなものなのです。
外壁の中で一番劣化が目立つのはコーキングです。
コーキングは主に外装材のサイディングの継目や外部窓回りの充填に使用されています。
一般的に外壁に使われているコーキングの寿命は、5~10年と言われています。
昔よりも耐久性の高い材料も出てきていますが、それでも寿命がある商品に変わりはありません。
建物の耐用年数からすると10年はとても短い期間に思えますが、おそろしいことにこの劣化スピードは速まることがあります。
雨風にさらされ続けると、コーキングはあっという間に硬くなりますのでおそらく10年以内にメンテナンス確認が必要な状況になると思われます。
少しでも軒が出ていると思いのほか外壁は濡れないもので、劣化具合の違いは月日を重ねるほどに確実に出てきます。
建物の構成要素には、意味があるものが多いです。
邪魔だなと思うものでも、何かの役に立っていることがほとんど。
家づくりをする際には、意匠性だけではなく機能性にも目を向けてみるのも良いかもしれません。